証明 Proofs
命題P(p、q、r、…)が真の時、命題Q(p、q、r、…)が真である事が論理的に導ける時、その論理的推論過程を証明(Proof)という。
定理(theorem)は真であることが証明できる命題であり、公理(axiom)は証明の際に真として使うことができる命題である。
定理よりも重要性は低いが他の結果の証明に役立つ補題(lemma)、ある命題から導き出せる結論をcorollaryという。
推論(conjecture)は証明をする際に真と仮定したりする命題のことで、度々偽になることがあるので定理ではない。
<直接証明(Direct Proof)>
pが真である時、必ずqが真でなければならない事を示す事によって、含意(logically imply)p→qが真である事を確立する方法である。
例:
直接証明を使って、「2つの奇数の積は奇数である」事を証明する。
ある奇数を2k+1とし、もう1つの奇数を2m+1とする。2つの奇数の積は、
(2k+1)(2m+1)=4km+2k+2m+1=2(2km+k+m)+1
∴2つの奇数の積は奇数である。
<矛盾を使う証明(Proof by Contradiction)>
もし命題pが真であることが、矛盾qおよび含意¬p→qが真である事によって証明されれば命題pは矛盾を使って証明されるとする。
例:
矛盾を使って「0でない有理数と無理数の積は無理数である」事を証明する。
xを有理数、yを無理数とすると、xはx=a/bと表すことができる。
ここで、有理数と無理数の積を有理数であると仮定すると、xy=p/qと表すことが出来るので、xy=p/q=(a/b)y
yについて解くと、y=pb/qa
yは無理数であるが、pb/qaは有理数であるため矛盾が生じる。
ある命題が偽である事を証明するには、反例(counterexample)を挙げれば良い。
例:
「もしaとbが有理数なら、a^bも有理数であるかどうか」を証明する。
a=2、b=1/2とすると、a^b=2^(1/2)=√2
√2は無理数であるため、この命題の反例である。