初心者がまとめるPython Programmingと時々数学

University of California Berkeleyに在籍中。自分用に勉強内容をまとめるブログ。

集合 Sets

対象としているものの集まりのうち、対象物が属しているか属していないかが、明確に判定できるあつまりを集合(set)という。集合を表す記号は通常英大文字を用いる。

集合を構成しているものを要素または元(element/member)といい、英小文字を用いる。

例:

aが集合Aの要素である時、a∈Aと表し、aはAに属すという。

bが集合Aの要素でない時、bAと表し、bはAに属さないという。

 

集合を示す主な方法は、

  • 要素を列挙する方法(roster method)

V={a, i, u, e, o}

  • 要素の条件を書く方法(set builder)

V={x|x is an odd positive integer less than 10}

 

数の集合には世界共通で特別に記号が決まっている。

N=自然数全体の集合={0, 1, 2, 3, ...}

Z=整数全体の集合={..., -1, 0, 1, 2, ...}

Q=有理数全体の集合={p/q|p、q∈Z、q≠0}

R=実数全体の集合

C=複素数全体の集合

 

要素を1つも持たない集合を空集合(empty set/null set)といい、φで表す。

要素が1つのみの集合をsingleton setという。

要素の数が有限である集合を有限集合(finite set)、無限である集合を無限集合(infinite set)という。またAが有限集合の場合、要素の数(cardinality)n(A)|A|などで表す。

例:

A={x|x is an odd positive integers less than 10}={1, 3, 5, 7, 9}

∴|A|=5

|φ|=0

 

集合Aの要素が集合Bの要素でもある時、AはBの部分集合であるといい、A⊆Bで表す。

A⊆BかつB⊆Aが成立する時、AとBは等しいといい、A=Bと表す(要素が完璧に一致する)。またA⊆BかつA≠Bのとき、AはBの真部分集合であるといい、A⊂Bと書く。

集合Aの全ての部分集合からなる集合をAのベキ集合(power set)といい、P(A)または2^Aと表す。空集合φは全ての集合のベキ集合である。ベキ集合の要素数は、2^nである。

例:

A={a, b}のベキ集合は、要素の数が2なので、要素の数が0、1、2の部分集合が考えられる。要素が0の部分集合…φ、要素の数が1の部分集合…{a}、{b}、要素の数が2の部分集合…{a, b}、よってP(A)={φ、{a}、{b}、{a, b}}

B={φ}のベキ集合は、B=空集合を要素としてもつ集合より、Bの要素の数は空集合1つなので、要素の数が0と1の場合が考えられる。要素が0…φ、要素が1…{φ}、よってP(B)={φ、{φ}}

C={0, 1, 2}のベキ集合は、要素が0…φ、要素が1…{0}, {1}, {2}、要素が2…{0, 1}, {0, 2}, {1, 2}、要素が3…{0, 1, 2}、よってP(C)={φ, {0}, {1}, {2}, {0, 1}, {0, 2}, {1, 2}, {0, 1, 2}}

 

2つの集合A、Bに対して、A×B={(a, b)|a∈A、b∈B}をAとBの直積集合、または単に直積(Cartesian product)という。直積集合A×Bとは、Aの要素aとBの要素bの組(a, b)を全部集めた集合のこと。組(a, b)は順序対(ordered pair)と呼ばれ、並んでいる順番に意味がある組であり、aを第1成分、bを第2成分という。

AとBが有限集合であれば、A×Bの要素の数=Aの要素数×Bの要素数が成立する。

例:

A={1, 2}、B={a, b, c}の直積集合は、A×B={(1, a), (1, b), (1, c), (2, a), (2, b), (2, c)}

B={b1, b2}とした時、直積集合B^2={(b1, b1), (b1, b2), (b2, b1), (b2, b2)}

 

集合AとBの和集合(union)A∪Bと表し、要素はA、またはB、または両方に属する

例:

{1, 3, 5}と{1, 2, 3}の和集合は、{1, 3, 5}∪{1, 2, 3}={1, 2, 3, 5}

集合AとBの積集合(intersection)A∩Bと表し、要素はAとBの両方に属する。積集合がφの場合、AとBはdisjointという。

例:

{1, 3, 5}∩{1, 2, 3}={1, 3}

{1, 3, 5}∩{2, 4, 6}=φ

 

<ベン図(Venn Diagram)>

Uを全体集合(universal set)といい、Uに対しての集合Aの補集合(complement)を/Aと表し(Aの上にバー)、UーAで求められる。/A={x∈U|xA}

 

ド・モルガンの法則/(A∩B)=/A∪/Bを証明する。

/(A∩B)={x|xA∩B}={x|¬(x∈(A∩B))}={x|¬(x∈A∧x∈B)}={x|¬(x∈A)∨¬(x∈B)}

   ={x|xA∨xB}={x|x∈/A∪x∈/B}=/A∪/B